【MDD】MDD Diary 2017 #12 (2017/09/09)

【メディカルデバイスデザインコース】
 第12日目は『医療機器開発のための機器実習4』です。午前はニプロ株式会社、オリンパスメディカルサイエンス販売株式会社のご協力を得て、血液透析機器、内視鏡機器、鏡視下手術機器について実習を行いました。午後からは、RTワークス株式会社、富士フィルムメディカル株式会社、川村義肢株式会社のご協力のもと、自動制御機能付き歩行器、3次元画像解析システム(画像診断ワークステーション)、義肢装具について実習を行いました。


 先週の腹膜透析機器に続き、血液透析機器についてご紹介いただきました。かつては透析回路を機器にセットし、患者さんの血管内に空気が入らないよう、回路内に液を満たしてエアー抜きを行っていくという作業(プライミング)を毎日早朝から行っていましたが、現在では前日の夜にセットしておくことで、夜中のうちに機械がオートプライミングを行っています。実習では、実際の機器を見ながら血液透析医療の背景、そして機器がどのように進化してきたか、災害時など万一の場合の対策などについて説明いただきました。


 内視鏡の実習では、気管支鏡、上部消化管内視鏡(胃カメラ)、下部消化管内視鏡(大腸ファイバー)に至るまでをご用意いただき、実際に胃カメラの挿入を体験しました。軽鼻内視鏡などの細径化を始め、手技中にファイバー部分の硬さを調節する技術やNBI(Narrow Band Imaging狭帯域光観察)など、少しでも検査が効率的で患者さんにとっても楽になるよう日々進歩していることがわかりました。また、2002年ごろより実用化が始まったIT Knife、そしてそれを用いた治療、すなわちESD(Endoscopic submucosal dissection内視鏡的粘膜下層剥離術)の発展についてもご紹介いただきました。モジュール4ではこの開発を率いられたひとりである高山先生をお招きし、さらに日本が世界に誇る内視鏡の開発の発展について学習したいと思います。


 鏡視下手術機器の実習では、スコピスト(カメラの持ち役)と術者のふたり一組になり、ラパロトレーナーを用いて腹腔鏡手術シミュレーションを体験しました。3Dメガネをかけて立体視での操作を行った後、2Dと3Dでの操作感の比較を体験しました。立体視の方式の違いや、軟性鏡、硬性鏡、先端フレキシブル硬性鏡の違いについても解説いただきました。体内の環境で実際に針をかけ、糸を結ぶ操作は想像以上に難しいことが体験できました。


 高齢化の課題を抱える日本においてますます重要となる介護福祉機器として、自動制御機能付き歩行器の実習を行いました。もともとエレクトロニクスメーカーからスピンアウトしたメーカーが開発しているとあり、データ通信機能、センサー制御技術が搭載されている一歩進んだ歩行器を体験しました。データ通信が行えることで、機器の稼働状況がわかり、使用している高齢者に何か起こっていないかを間接的にモニターすることも可能であることがわかりました。


 DICOM、PACSなどの用語説明から、CTやMRIといった画像診断機器とこれらのデータを統合する画像データサーバーの役割と立ち位置に始まり、3次元画像解析システムがどのような局面で臨床に貢献しているか、そして自動抽出機能を用いたいわゆるCAD(Computer-aided Diagnosisコンピュータ支援画像診断)についてもご紹介いただきました。実習では肺腫瘍の抽出から、気管支と血管、腫瘍の位置関係がどのように把握できるのかなどについて、実際にワークステーションのデータを操作しながら体験しました。AIを利用した自動診断がいつ実現するのかはわかりませんが、そう遠くないようにも思われます。これまで、人海戦術で行っていた術前画像の作成も、自動化が相当進んでいることがわかりました。


 義肢装具はいわゆる病院で使用する医療機器のような保険償還システムとは異なり、『療養費払い』という制度により、患者さんに還付される形で費用の支給がなされています。この制度についての説明、義肢装具士の役割、さらに、どのような患者さんに義肢装具が使用されるか、リハビリロボットと義肢装具の立ち位置の違い、日本と諸外国の違いについても解説いただきました。実習では、筋電義手や下肢の義肢などを実際に体験しました。タブレットの制御で動作モードの変更ができるものもあり、技術の進歩がここにも反映されていることがわかりました。


 講義終了後は講師を務めていただきました谷岡先生、長澤先生、長谷川先生にもご出席いただき、MDDイブニングネットワーキングが開催されました。


 長澤先生からはリスクマネージメント大賞、優秀賞の表彰、長谷川先生からは知財実習大賞、優秀賞の表彰がありました。この日は東京会場の受講生もほとんど大阪会場で受講いただきました。東京会場と大阪会場の受講生の交流が深まっていれば幸いです。

 来週からはモジュール4『医療機器開発の実践』が始まります。

 モジュール4医療機器開発の実践スケジュール

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