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【MDD Diary 2021】#9 (2021/08/21)

2021-08-26

本日はModule3 〜医療機器開発のための機器実習〜第1日目~でした。

午前は、特許業務法人 前田特許事務所から弁理士の長谷川雅典先生と山田朋範先生をお迎えし、MDD Group Working – IV 〜 医療機器開発のための知財実習① ~出願準備編 〜が行われました。

ご講義では、知財の基礎として、知的財産に関する法律上の定義や、特許権・意匠権・商標権・著作権の違い、そして、特許情報を収集・整理・分析してグラフなどにまとめる手法であるパテントマップについて教えていただきました。また、特許調査のひとつとして、J-PlatPatを用いた方法を実例を用いて解説していただきました。

グループワーキングでは、8つのグループに分かれて、整形外科領域の手術デバイスに関する発明について、J-PlatPatを用いて先行特許の調査をした上で、企業としての知財戦略を立てていただきました。既存の技術との違いを意識しながら自社製品の新規性や進歩性を明確化するなど、普段から特許を意識した開発をしていくことが重要であると学ぶことができました。

午後は、創樹国際特許事務所より弁理士の中道佳博先生をお迎えし、MDD Group Working – V 〜 医療機器開発のための知財実習② ~活用戦略編~が行われました。

ご講義では、外国出願を検討する際の考え方や方法について、またPCTルートやパリ優先権ルートなどの出願や外国特許等の調査方法などについても、具体例を交えて教えていただきました。さらに、実施権やライセンス条件などの権利活用、特許権侵害が疑われる場合の特許権者、被疑侵害者の対応などについても幅広くご講義いただきました。

グループワーキングでは、2つの課題に取り組んでいただきました。一つ目は人工血管のコーティング技術を用いた製品の上市および海外進出にあたっての知財戦略について、二つ目は、3D解析診断装置の開発をめぐる権利侵害の事例について特許権者と被疑侵害者の立場に分かれて議論をしていただきました。特許取得がゴールではなく、特許権を活用して技術を保護し、企業として収益を得られるように知財戦略を事業戦略と密接に関係づけていくことが重要であると学ぶことができました。

次回は、持続的自動気道陽圧ユニット、心電計、血糖値センサー、除細動器、パルスオキシメーター、血液透析機器、腹膜透析機器等の医療機器と、医療現場におけるEPRと漏れ電流について学びます。

2021.8.21

メディカルデバイスデザインコース2021運営チーム