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RME2018 ファンダメンタルコース diary

2018年12月15日(土)

5日目

1-2限目は笠井泰成先生(大阪大学)より、「CPC運用経験における課題への取り組み例、課題解決の戦略、将来展望」と題してご講義いただきました。前半の細胞培養加工施設の『設計と準備』では、大阪府北部地震での阪大病院CPCの様子を動画で拝見し、非常時にも施設内で作業している人ができるだけ怪我をせずに脱出できるように避難経路を設計しておくことの大切さを学びました。そして後半の『運用と管理』では、管理という言葉をManagementとControlという2つの意味で使い分けることが大切であるということをご説明いただきました。また、製造管理の中では多くの記録を作成して保管するため、工程管理システムを構築し運用することが必要であると解説いただき、再生医療等製品で目指すべきレベルの高い工程管理システムにするための要望についてはとても勉強になりました。

3-4限目は森尾友宏先生(東京医科歯科大学)より、「アカデミアにおける細胞調製施設運営の実例と課題」と題して、改修工事前および新施設の運用における実例を不具合も含めて紹介をしていただきました。施設の維持や機器の故障に関する考え方として、適宜対応するのではなくリスクアセスメントに基づいて事象の発生を予測的に検査する運用のルールづくりが大切であるというご説明から、これまでのご経験の深さを感じました。品質検査については、必要のないウイルス検査はできるだけ行わなくてよくなることが望ましいこと、検査キットは国産であることが重要と考えているというご説明はとても興味深く聞かせていただきました。また、ゲノム解析技術についてはとてもハイレベルな内容でしたが、将来的なことを見据えて遺伝子情報と造腫瘍性の関連性について科学的知見を蓄積することの重要性を理解することができました。


2018年12月8日(土)

4日目

1、2限目は池松靖人先生(大阪大学)より、「細胞加工物の製造区域における環境モニタリングの意義と概要」、「微生物管理における微生物迅速試験法の意義と活用方法」と題してご講義いただきました。前半は無菌医薬品との違いなどから細胞加工物の製造環境での環境モニタリングの必要性について解説いただきました。後半では、再生医療が微生物管理や品質管理のあり方を見直す機会となるのではないか、というお話を伺い、製品に見合った微生物迅速試験法の普及が進むことが重要だと感じました。また、再生医療への熱いお話を伺い、非常に感銘を受けました。

3、4限目は中村浩章先生(アース環境サービス株式会社)より、「細胞培養加工施設内の有害生物管理の基礎」、「有害生物管理における予防管理と是正処置」と題してご講義いただきました。講義では歩行昆虫、飛翔昆虫、様々な微小昆虫類の侵入パターンを提示していただき、これらは日常的には気づきにくい施設の劣化によるものが大きいことを知り、有害生物管理において施設での予防管理の重要性を認識できました。また、講義の最後にお伺いした除染用のガスと虫の死亡率の関係についてはとても興味深いものがありました。


2018年12月1日(土)

3日目

1,2限目は佐藤陽治先生(国立医薬品食品衛生研究所)より、「細胞加工製品(再生医療等製品)の品質・安全性評価の上での新しい考え方」と題してご講義いただきました。講義では造腫瘍性試験を例に細胞加工製品に対する品質・安全性の評価技術の解説や、セル・バンクにおける品質の意味合いについてのご説明などをいただき、レギュラトリーサイエンスの必要性、品質・安全性の確保にはケースバーケースの対応が必要なことを実感しました。

3,4限目は水谷学先生(大阪大学)より、「再生医療等製品の製造施設における設計の考え方と適格性評価」、「再生医療等製品製造における品質マネジメント体制の構築と施設の運用」と題してご講義いただきました。再生医療等製品におけるバリデーションおよびベリフィケーションの関係について理解することの重要性、また、施設の運用におけるケースバイケースでの対応が必要であるということを改めて認識できました。



2018年11月27日(火)

付録 現場見学会、交流会(RMEネットワーキング)

現場見学会では、臨床研究用CPCの見学、教育用CPCでのガウニング体験、アイソレータシステムの見学を行いました。RMEネットワーキングでは、本コースの講師の先生方をはじめ、大阪・東京会場で受講されている多くの受講生の方々にご参加いただきました。皆様方のネットワーク構築のきっかけになれば幸いです。


2018年11月17日(土)

2日目

1限目2限目は江副幸子先生(大阪大学)より、「再生医療における治療設計の考え方と実際」についてご講義いただきました。再生医療の全体像を基礎的な内容から解説をいただき、研究倫理、再生医療における治療設計としての試験デザインについてご説明いただきました。

3限目4限目は福田一弘先生(シミック株式会社)より、「再生医療等製品の開発における留意点」についてご講義いただきました。CROのご経験から、事例が少ない中で実例を盛り込んでいただき、治験から承認申請、製造販売後までの流れについて解説していただきました。



2018年11月10日(土)

1日目

1限目2限目は飛田護邦先生(順天堂大学)より、「再生医療等安全性確保法と医薬品医療機器等法の概要」についてご講義いただきました。再生医療新法の作成に携わったご経験から法規制をご説明いただき、再生医療の出口戦略については大変興味深く、再生医療新法の運用と課題について新たな意見をいただけました。

3限目4限目は紀ノ岡正博先生(大阪大学)より、「細胞特性、無菌操作、動作」についてご講義いただきました。講義では再生医療産業のためのモノづくり・ルールづくり・ヒトづくりの必要性や、細胞製造性の重要性、考え方について解説していただきました。