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【MDD】MDD Diary 2017 #10 (2017/08/19)

2017-08-19

【メディカルデバイスデザインコース】
 第10日目は『医療機器開発のためのリスクマネージメント実習』『医療機器開発のための知財実習』です。午前はニプロ株式会社の長澤良樹先生から、たこやきの製造販売を事例にリスクマネージメントのロジックについて実習指導いただきました。午後からは、特許業務法人 前田特許事務所の弁理士 長谷川雅典先生のご指導により、医療機器開発において重要な特許検索の方法・類似特許の分析方法、商標検索・類似商標に対する考え方についてグループ実習形式で学びました。

 午前はニプロ株式会社の長澤先生のご指導により、『医療機器開発のためのリスクマネージメント実習』としてたこやきの製造販売を事例としてグループ実習を行いました。モジュール2の講義でリスクマネージメントが重要であることは学びましたが、実務として実際にどのように管理すればよいのかという論理の立て方を学ぶことが今回の実習の目的です。各グループでオリジナリティ溢れる設定を行っていただき、それに基づいて製造段階および販売後のフェーズにおけるリスクの洗い出し、その重要度、起こりえる頻度、そしてその対策方法についても検討いただきました。講師の先生ご自身も想定されていなかったリスクや、独創的な対策方法など、短時間で非常に細かい分析をされてプレゼンテーションいただきました。医療機器では『大丈夫だろう』がもし間違っていると、患者さんの安全に直結してしまいます。今回学んだロジックを元に、開発中から起こりえるリスクの分析と対策を進めることができればと思います。

 午後は長谷川先生より『医療機器開発のための知財実習』として、製品開発を活かす特許・商標調査についてグループ実習形式でご指導いただきました。現実にはせっかく資金を注ぎ込んで長期間の開発を行っても、実は既に他社が特許出願を行っていたということも起こりえます。後戻りできないところまで進んでしまう前に、このタイミングで開発の方向性を大きく変えることも場合によっては必要になります。長谷川先生ご自身がエンジニアとして機器開発に従事されていたときのご経験も踏まえ、侵害訴訟事例などもご提示いただきながら、特許調査の方法について解説いただきました。まさに『特許があれば強い味方になり、侵害してしまうと大変なこともある』ということですね。今回の実習は初めて特許に触れる方にはやや難しい内容もあったかもしれませんが、グループで知識を共有しながら、特許・商標検索の基礎を学んでいただけたかと思います。

 再来週は再び機器実習に戻ります。
 ペースメーカー・ICD・CRTD・シミュレーター、血糖値センサー、心電計と携帯型心電計、ポリソムノグラフィと持続的自動気道陽圧ユニット(CPAP)、腹膜透析(PD)機器:自動腹膜灌流装置と腹膜灌流用紫外線照射器を予定しています。

 モジュール3医療機器開発のための機器実習スケジュール