【MDD Diary 2021】#7 (2021/07/17)
2021-07-23
本日はModule2 〜医療機器開発のマネジメント〜第3日目~でした。
1~2限は、医療機器開発におけるサイバーセキュリティと、臨床評価についてご講義いただきました。
FDAのサイバーセキュリティの市販前および市販後ガイダンスや欧州サイバーセキュリティ法について解説していただき、さらに2020年4月に公開されたIMDRF(International Medical Device Regulators Forum)のサイバーセキュリティガイダンスについても、基本的な考え方から今後の日本国内への展開を踏まえた視点までを含めて、詳細に解説していただきました。講義終盤には、製造販売業者が取り組むべきサイバーセキュリティの課題とその対応について図解していただき、知識と情報を整理することができました。2020年にドイツの病院でサイバー攻撃に関連した初の死者が報告されたという話を聞きながら、医療機器開発におけるサイバーセキュリティ対応は急務であると痛感しました。
医療機器における有効性とは何か、なぜヒトを対象とした臨床試験が必要であるかについて、クラスⅡ~Ⅳの医療機器のそれぞれの例を用いてご説明いただきました。臨床試験をどのように設計するかの重要性についても、過去の臨床試験の結果をお示しいただきながら具体的に教えていただきました。そして、TAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)が2021年4月に低リスク症例へ適応拡大された経過を例として、医療機器開発においては市販前の有効性検証に加えて、市販後の継続した情報収集と評価も非常に重要であると教えていただきました。さらに、先駆け審査指定制度や革新的医療機器条件付早期承認制度といった、より良い医療機器をより早く患者さんに届けるための新しい制度についてもご紹介いただきました。
3~4限はMDD Group Working – I〜リスクマネジメント実習(市販前編)〜でした。
今年度は「カテーテルによる低侵襲治療デバイス」と「治療アプリ」の2つのシナリオを題材とし、11のチームにわかれ、リスクマネジメント実習(市販前編)、申請・照会対応実習、リスクマネジメント実習(市販後編)の3つの実習を行います。
グループワーキングに先立ち、「審査からみたリスクマネジメント」と題して、審査の流れや適切なリスクマネジメントを行うために必要な基本的な考え方についてご講義いただきました。
初回のグループワーキングは、開発コンセプト、リスク抽出、評価内容等といった市販前のリスクマネジメントについてグループで検討していただきました。プレゼンテーションでは、斬新な開発コンセプトを発表してくださったグループもあり、製品の具体的な仕様や有効性評価の方法など、今後の展開が今から大変楽しみです。
講義後半は、次回の申請・照会対応実習に向けて、申請書作成の基本とポイントについて教えていただきました。
7月31日は、午前中はMDD Group Working – II 〜申請・照会対応実習〜、午後からは
MDD Group Working – III 〜リスクマネジメント実習(市販後編) 〜を予定しております。
2021.7.17
メディカルデバイスデザインコース2021運営チーム