MDD2021卒業生 今西 ひなの さん(大学院工学研究科)
2021-12-31
(今西さんのコメント)
私は大学院工学研究科環境エネルギー工学専攻の粟津研究室に所属しており、内視鏡による定量的な胃癌深達度診断を目指して、医用光学を中心に研究を行っています。その中で、工学部では触れにくい臨床に関する知識や上市に向けた戦略など、工学技術以外の医療機器開発に必要な知識をより深く学びたいと考えるようになりました。そんなとき、所属する研究室の教員からの勧めで本コースの存在を知り、受講を決めました。
コロナウイルス感染流行下での開講だったため全ての講義がオンライン開催となりましたが、臨床医学や医療機器に関する審査などの事前知識がほぼ無かった私にとっては、受講しながら手元で用語を調べることができるなど、メリットも多く感じました。また本コースは臨床医学・特許戦略・リスクマネジメント・各医療機器の現状など、医療機器開発に必要な知識を体系的に学ぶことができるようバランス良く組まれているため非常にわかりやすかったです。どの講師の方も熱意を持ってお話されていたため毎週自分の知識が増えていく実感が強く、本当に楽しい半年間でした。
特に印象に残っているのは、小児科の医師の方が講義中何度も「メーカーの方、いらっしゃったら子どもサイズの〇〇を作って下さい!」とおっしゃっていたことです。普段工学からのアプローチで技術研究を行っているとどうしてもユーザーの数を意識してしまいますが、見逃されがちなところにも医療機器を求める患者さんや医療従事者の方がいるのだと身が引き締まる思いでした。
半年にわたってMDDコースを受講し、医療機器に関する知識だけでなく講師の先生方の熱い思いを感じることができました。研究室では学ぶことのできない幅広い内容で、日本の医療機器を取り巻く課題についても広く学んだことで、自分の進路を考える機会にもなりました。今後MDDで学んだ一員として、医療課題解決に貢献していけたらと思います!
受講を検討する学生の皆さんへ
医療機器を扱う分野への進路を希望している方はもちろん、それ以外の方も本コースの受講を強くおすすめします!
社会人の方が3分の2程度を占めるため、かなりハイレベルな講義内容であることは事実ですが、グループディスカッションなどで社会人の方々とフラットに接することができる機会は滅多に無いため、貴重な経験ができます。物怖じせず話せるようになるなど、この経験が就職活動にも活かされていると感じます。またフリートークの時間には、さながらOB訪問のように各企業での働き方について伺うことができました。自分自身がどのような進路に進むか、考える材料を集められるのも魅力の一つだと思います。
土曜日返上での参加にはかなり勇気がいりますが、それ以上の経験ができるコースです。ぜひ講義を楽しんでほしいと思います。頑張ってくださいね!
(事務局より)
今西さんはメディカルデバイスデザインコース2021レギュラーコースを受講されました。
社会人受講生の方から働き方についてお話を聞かれるなど、オンラインネットワーキングの時間を有効にご活用いただいたとのこと、コロナ禍において一同に集まる機会がほとんどない昨今ですが、人脈を広げる機会の1つとして短時間ではありますがオンラインネットワーキングを活かしていただけましたこと、大変嬉しく思います。
今西さんのグループワーキングでのプレゼンテーションは、とても説得力があり落ち着いて発表をされていたことが非常に印象に残っています。講師の先生から「気づかなかった新しい視点ですね」と言われたプレゼン内容はチームの意見をまとめたものではありますが、講師の先生からの質問に対する今西さんの回答を聞き、かなり理解を深められていることが伝わってきました。
講義も用語を調べながら熱心に受講されており、たくさんのことを身につけられたことと思います。MDDコースを通じて経験されたことを将来お役立ていただけましたら幸いです。
今後ますますのご活躍をご祈念申し上げます。