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MDD2022卒業生 ZHANG HANJIE さん(大学院医学系研究科)

2023-05-7

MDD2022 受講
ZHANG HANJIE さん

私は大阪大学大学院医学系研究科分子神経科学教室に所属しており、メダカ近縁種における脊椎再生能の比較により、脊椎再生と関わる因子の特定を目指して研究を行っています。

最初にMDDコースと出会ったのは大学院入学オリエンテーションでした。先生がヘアアイロンのような見た目をした機器を手に持ち、「この機械の値段を当ててみてください」とおっしゃいました。解説を聞き、このありふれたように思えるデバイスが何十万円もするという事実に驚きましたが、それ以上にこのデバイスにかかる特許や技術力の方が私にとっては衝撃的でした。元々工学に興味を持っていたこともあり、これを機に受講することを決めました。

講義の中で特に印象に残ったのは、モジュール2で学んだユーザビリティエンジニアリングでした。近年日常生活に使う家電や家具、スマホアプリなどでよく見かける「使いやすさ」に対する工夫が、医療デバイスに対してもこれほど配慮されているとは思いませんでした。また、医療事故のデータや医療機器のエラーへの対策例について学び、改めて医療機器が人の命に影響を及ぼすという特殊性と責任の重さを実感しました。

モジュール3の実際に活躍している医療機器を見る『機器実習』では、今までにない視点で機器を見れたことが印象に残っています。非常に広く見える手術室も、内視鏡モニター、足元に置くスイッチ、患者の生体データをモニタリングする医療機器など、必要な機器を手術室内に設置することで動線環境が非常に狭くなっていたことや、地震などの緊急事態でも患者さんの命を最優先にして返血する機能を有していた透析機器など、本コースを受講する前の医療機器に対する認識を一新するものばかりでした。医療機器を『モノ』視点で見る場合と、『医療を行う』視点で見る場合では大きな違いがあり、様々な視点で見ることの重要性を実感しました。

MDDコースを受講した半年間、各領域の最先端を担う講師の方々の講義を聴き、仕事に対する熱い想いを感じることができました。また、グループワークを通して、すでに現場で働かれている社会人の方々と意見交換ができたことは、通常の講義では得られない貴重な経験となりました。学生受講生にも工学系や医学系をはじめとした様々な専攻の方々が参加されており、MDDコースを通じて様々な分野の方と繋がっていくこともMDDコースの醍醐味だと感じました。  毎週土曜日朝から夜までのMDDコースのハードスケジュールを見て受講を躊躇してしまう気持ちはとっても分かります!(笑)しかし、絶対後悔しない素晴らしい経験になります。医学や工学に興味のある方はぜひ思い切って受講してみてください!