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【MDD Diary 2023】#5 (2023/7/8)

2023-07-14

本日よりModule2 〜医療機器開発のマネジメント〜が始まりました。

1限目 医療機器開発と医療機器製造販売業
〜業態・業許可・遵守事項〜
山口 幸宏 先生
株式会社吉田製作所

医療機器の開発から上市までのながれの概要(設計審査、量産試作評価、廃棄)、医療機器の定義、クラス、定義分類についてわかりやすく教えていただきました。

医療機器製造販売業の許可要件や遵守事項について、また、法令遵守体制に関する考え方について、製造販売業者、販売・貸与業者、修理業者のそれぞれの業態について、該当する法文をお示しいただきながら学びました。

なぜ医療機器において業許可というシステムがあるのか、そしてルール違反を犯す様々な原因の中でも「ルールを知らないこと」が大きいことを教えていただきました。

2限目 医療機器開発のプロジェクトマネージメント
〜ニーズ探索・コンセプトデザイン・開発インプット〜
西内 誠 先生
朝日インテック株式会社

臨床現場のニーズ探索から医療機器開発の一連の流れについてわかりやすくご教示いただきました。

開発とは様々な技術的手段や手法を用いて市場のニーズを具現化し、必要とするユーザーに提供すること。同じニーズからスタートしても、開発者の設計思想の違いにより、異なる開発コンセプトにつながります。現場ニーズに対する解は一つではなく、設計思想の違いにより最終的なアウトプットである製品にも違いを生み出せるということを教えていただきました。

医師の言葉を開発インプットに落とすためには臨床の基礎を学び、臨床現場を注意深く観察する必要があります。具体的な事例紹介として当時前例がなかったガイドワイヤーの開発についてもご講義いただきました。

3限目 ユーザビリティエンジニアリングとIEC 62366-1
吉田 賢 先生
株式会社UL Japan/Emergo by UL

医療機器開発に不可欠なユーザビリティエンジニアリング(UE)と、UEの国際規格であるIEC 62366-1についてご説明いただきました。

UE及びヒューマンファクタエンジニアリング(HFE)は、ユーザが医療機器を使用する際、製造業者の意図していない操作によって生じる使用エラーを防ぎ、安全性及び有効性を高めることを目的とします。UE/HFEは、ユーザの詳細や使用環境のリサーチ、ユーザニーズの明確化、使用に関するリスク分析、ユーザビリティ評価というプロセスを経て行われます。特にJIS T/IEC 62366-1、米国FDA HFEガイダンスへ適合するには、使用に関するリスク分析の作業が重要であることを教えていただきました。

4限目 医療機器における電気安全とEMC(電磁両立性)の実際
芝田 侯生 先生
一般財団法人日本品質保証機構 彩都EMC試験所

医療機器開発における電気安全およびEMC(電磁両立性)の必要事項についてご講義いただきました。

近年ではアプリを搭載した情報機器が医療機器として認められるようにもなり、医療機器の現場を取り巻く環境は極めて多様化しています。そのため機器設計者は医療機器のさまざまな形態を理解し、それらの安全性を保障する必要があります。本講義では電気・電磁波という観点から医療機器の安全性保障について概観しました。

医用電気機器の基準は、人体や機器を保護するために存在しています。感電や火災などの事故を防ぐために、病院と製造者の双方が機器の安全な使い方を理解している必要があります。設計基準についての話題では、3時間目で学んだリスクマネジメントの方法を応用することができました。理論的であり実践的でもある実りの多い時間でした。

5限目 プログラム医療機器における必須知識
大竹 正規 先生
GEへルスケア・ジャパン株式会社

プログラムの医療機器該当性に関するガイドラインに基づき、基本的な該当性の判断手順について、通知の文言を4つの観点からフローチャートを用いてわかりやすく解説していただきました。

これからプログラム医療機器を扱うにあたってはサイバーセキュリティは必須であること、AIについては薬事・診療報酬の視点から、その質をどう保証するのか、診療報酬上の評価ポイントなど、まだまだ取り扱いの検討は未成熟であることを教えていただきました。

社会やルールの変化を捉えて自社のビジネススタイルを確立していかねばならないことが理解できました。

次回は「QMSとISO13485」、「医療機器における承認・認証制度」、「生物学的安全性」、「医療機器開発におけるサイバーセキュリティ」、「AI医療機器の審査」について学びます。

メディカルデバイスデザインコース2023運営チーム