【MDD Diary 2023】#9 (2023/8/19)
2023-08-23
本日はModule3 〜医療機器開発のための機器実習〜1日目でした。
初日はMDD Group Working –Ⅳ-Ⅴ~医療機器開発のための知財実習①(製品開発編)・②(活用戦略編)~ということで、丸一日かけて機器開発にまつわる知財について学びました。
1,2限目 MDD Group Working –Ⅳ
~医療機器開発のための知財実習①(製品開発編)〜
山田 朋範 先生
弁理士法人 前田特許事務所
午前は、弁理士の山田先生による特許を中心とした知的財産に関するご講義のあと、グループワーキングで特許の出願前調査の演習を行いました。
講義では、知的財産の法律上の定義や商標/特許の基礎から、特許を意識した技術開発におけるパテントマップ(関連技術の特許情報を図面やグラフなどで視覚的に表現したもの)の有用性、J-PlatPatを用いた先行特許の検索方法について解説していただきました。数多くの先行特許の中から関連技術を検索するには、発明にまつわるキーワードを選り抜き、組み合わせて検索式を構成する必要があります。
開発する医療機器において特許を成立させるためには、すでにある知見に対して新規性と進歩性を見出す必要があります。グループワーキングでは、今年のロングストーリーであるウェアラブル機器を利用した医療機器を取り上げ、先行出願の検索など、実際の開発で特許出願の戦略を立てる際にどのように行うのかを学びました。
3,4限目 MDD Group Working –Ⅴ
~医療機器開発のための知財実習②(活用戦略編)~
中道 佳博 先生
創樹国際特許事務所
午後は、創樹国際特許事務所から弁理士の中道佳博先生をお迎えし、特許の外国出願、権利の活用・侵害についてご講義いただいた後、グループワーキングで知財にまつわる仮想事例を検討しました。
講義では外国出願を検討する際の考え方や、パリ優先権ルート、PCT(特許協力条約:Patent Cooperation Treaty)ルートによる出願方法、外国特許等の調査方法などについて具体例を交えて教えていただきました。また、特許侵害が疑われる場合の対応についても、豊富なご経験をもとにお話しいただきました。
グループワーキングでは、Module2から続く治療アプリの開発シナリオにおいて、知財の観点から対応するべき事項の考察や、競合他社にまつわる知財リスク対応に関するシナリオをもとに、チームでディスカッションとプレゼンテーションを行いました。自由度の高い課題のため、各チームより様々な視点での意見を伺うことができました。中道先生からは事業戦略の方向性決定の重要性、いつ・どこで特許を出願するのか、商標の調査、ネーミングの観点などについてご説明いただきました。
次回からは、実際に医療の現場で活躍する機器について学んでいきます。ポリソムノグラフィと持続的自動気道陽圧ユニット(CPAP)、心電計と心電図、除細動器・AED、パルスオキシメーター・esCCO(非侵襲連続推定心拍出量)、血糖値センサー(SMBG)、グルコースモニタシステム(CGM)、ポータブルインスリン用輸液ポンプ、血液透析機器(HD)、腹膜透析(PD)機器:自動腹膜灌流装置と腹膜灌流用紫外線照射器が登場します。
暑い日が続きますが、受講生の皆様とともに後半も楽しく学んでいきたいと思います。
メディカルデバイスデザインコース2023運営チーム