【RME Diary 2023】#1 (2024/2/17)
2024-02-24
本日より2023年度「再生医療:細胞製造設計エキスパート育成講座」のファンダメンタルコースが開講しました。
講義開始に先立ち、当センター副センター長でもある大阪大学大学院工学研究科 教授 紀ノ岡正博先生より開講の挨拶をいただきました。
1,2限目 「細胞特性,無菌操作,動作」
紀ノ岡正博 先生 大阪大学大学院工学研究科
通常、製品の製造では一定品質の安定供給が要求されます。しかし、細胞製造では、原材料等の質や製造系外部からの影響だけでなく、細胞特性や操作者毎の動作のばらつきといった「内なる乱れ」により最終製品の質が変動しやすいという難しさがあり、細胞製造に対する学問構築と産業化は同時進行しているのが現状です。細胞品質の安定化には、工学的側面と生物的側面を理解した上で、操作者が積み重ねてきたノウハウを体系化・機械化し、細胞の特性を加味した技術構築に基づく工程設計・運用が必要ということが分かりました。
3,4限目 「再生医療等安全性確保法・医薬品医療機器等法」
飛田護邦 先生 順天堂大学革新的医療技術開発研究センター
現在の日本では、より発展した再生医療を患者さんへ迅速に提供するために、様々な法律が整備されています。本講義では再生医療製品の早期実用化のための条件や期限付き承認制度について具体的な事例等併せてお話しいただきました。労力を費やして設計した製品であっても、承認が得られなければ無駄になってしまうというお話を伺い、あらかじめ承認検査を念頭に置いて製品を開発することの重要性に気づかされました。講義の後半では、再生医療等安全性確保法が実際にどのように運用されているのかについて、分かりやすく説明していただきました。技術進歩に追いつき、ルールに基づく診療が行われるように整備していくことが求められています。
次回は「治療設計(非臨床)」、「治療設計(GLP,GCP)」について学びます。
再生医療細胞製造設計エキスパート育成講座ファンダメンタルコース2023運営チーム