【MDD Diary 2020】#9 (2020/08/08)「医療機器開発のための機器実習1」

2020-08-11

本日はModule 3「医療機器開発のための機器実習」第1日目でした!

 

午前中はMDD Group Working – Ⅲ リスクマネジメント実習(市販後編)、午後からは、「ポリソムノグラフィと持続的自動気道陽圧ユニット(CPAP)」「心電計と携帯型心電計」「腹膜透析(PD)機器:自動腹膜灌流装置と腹膜灌流用紫外線照射器」についての実習が行われました。


本日のグループワーキングでは、先週のリスクマネジメント実習(市販前編)、申請・照会対応実習で完成させた2つの新規開発医療機器「シナリオA:体外式膜型人工肺(ECMO)」、「シナリオB:着用型自動除細動器(WCD)」の市販後に発生した不具合を想定して、その対応方法について検討しました。
グループワーキングに先立ち、吉田・西枝法律事務所の吉田昌功先生から、「医療機器開発とPL法~医療機器メーカーは製品にどこまで責任を持つべきか」、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の植木光樹先生からは、「リスクマネジメント・市販後対応」と題してご講義いただきました。また、ファシリテーターとしては、京セラ株式会社の谷岡寛子先生、大阪大学国際医工情報センターの岡山慶太先生にご参加いただき、メーカー側、医療者側としてそれぞれの立場からご講評いただきました。

グループワーキングでは、各シナリオで発生した不具合に対してやるべきことを、「誰に対して」「いつ(までに)」「何をする」「目的(何のために)」「そのために必要なアクション」の軸で検討していただきました。不具合事例を一刻も早く医療機関や患者さんへ情報提供することで新たな有害事象が発生することを未然に防ぐことができる可能性がある一方で、不確定要素を含んだ情報を開示することによる現場の混乱や当事者の不安増強などのリスクもあります。不具合報告の対応には、さまざまな角度からの検討が必要となりますが、まずは考えられる対応をすべて書き出すことが重要であると教えていただきました。その上で、開発者にはそれらの優先順位、重みづけに対しての的確な判断と迅速な対応が求められるのだと思いました。


3限目は「ポリソムノグラフィと持続的自動気道陽圧ユニット(CPAP)」についての実習でした。ご講義では、それぞれの機器の説明や適応疾患である閉塞性睡眠時無呼吸症候群について概説していただきました。また、主に在宅で使用されるCPAPのデータを医療機関が遠隔で確認できる在宅医療診療支援システムのご紹介や、CPAPの使用とCOVID-19に関するトピックについても言及いただき大変勉強になりました。実習では、トレーニング用の人体モデルに実際にマスクを装着して送気する様子を見せていただきました。マスクの固定具にをマグネットを使ってマスクの装脱着を容易にしたり、送気のホース部分がマスクとの接続部でスムーズに回転することで寝返りなどの睡眠中の動きにもストレスがかからないような工夫されているという点で、モジュール2で学んだユーザビリティが生かされていると気づきました。CPAP治療は毎晩実施するものであり、患者さんの機器使用への抵抗感やストレスが少しでも緩和されることが重要なのだと感じました。

 


4限目は「心電計と携帯型心電計」についての実習でした。ご講義では、心電図の仕組みや描出される波形の成り立ちや意味についてご説明いただきました。実習では、実際に模擬患者さんに心電図を装着して、筋電図の混入や呼吸性変動などを見せていただきました。健康診断の際に心電図をとられたことは何度かありましたが、脱衣による寒冷刺激や精神的緊張などにより結果にこれほど大きく変化すると知り、驚きました。また、パッチ型の長時間心電図レコーダもご紹介いただきました。これは装着したまま入浴も可能で14日間連続記録でき、本体が超小型かつケーブルレスであり、電極も左胸部の1か所にまとまって装着できるものでした。日常生活でのデータ収集を行えることで、外来検査や検査入院といった限定的な環境下では発見できない不整脈を早期発見することができるようになります。早期の医療介入により、大きな心血管イベントの発生抑制にもつながることが期待できると思いました。

 


5限目は「腹膜透析(PD)機器:自動腹膜灌流装置と腹膜灌流用紫外線照射器」についての実習でした。ご講義では、PDの歴史やその特徴、実施方法についてご説明いただきました。実習では、回路と機材をセットするだけで接続部の自動接続、紫外線照射による殺菌が行われる「腹膜灌流用紫外線照射器“つなぐ”」(クラスⅡ)と、透析液をセットすることでプライミングと透析液の灌流が自動で行われる「自動腹膜灌流装置:“かぐや“」(クラスⅢ)を用いて、APD(Automated Peritoneal Dialysis)の手順を実演いただきました。どちらの機器もディスプレイでの表示と音声による案内があり大変わかりやすかったです。また、”かぐや“には小型カメラが搭載されており、透析液の接続チューブ先端についているQRコードを読み取り、医師の処方と異なる透析液がセットされた場合には投与が開始できない仕組みになっているとのことでした。我が国における慢性透析患者数は右肩上がりとのことでした。平均寿命の延伸や在宅診療の拡充を考えると、高齢のPD患者さんも増えていくと考えられます。すべての人が安全に、また安心して在宅での治療を受けられる環境整備は重要であり、その意味でも今回ご紹介いただいたこれらの機器は大変有用だろうと思いました。

来週は、MDD Group Working – Ⅳ 医療機器開発のための知財実習① 「出願戦略編」、MDD Group Working – Ⅴ 医療機器開発のための知財実習② 「活用戦略編」です。
お盆の真っただ中になりますが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

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2020.8.8

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Written by team MDD

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