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【MDD 2021 Diary】#1 (2021/05/29)

2021-05-29

本日よりメディカルデバイスデザインコース2021が開講いたしました。初日はModule1 〜医療機器開発のための臨床医学〜第1日目~でした。

開講に先立ち、当センターの貴島晴彦センター長より開講の挨拶、続いて本コース代表教員の岡山慶太先生よりイントロダクションがありました。

1限目は大阪大学大学院医学系研究科呼吸器外科学より新谷康先生をお招きして、「呼吸器外科診療の実際」と題してご講義いただきました。
講義前半は日本における部位別がん死亡率が第1位である肺がんの外科的治療についてご説明いただきました。近年は胸腔鏡を用いた低侵襲手術が主流となっているとのことで、その際に使用されるStapler(ステープラ)と呼ばれる自動縫合器の特性や、使用の実際について手術動画を用いて外科医の立場から詳細に解説いただきました。また、2018年4月から保険診療となったロボット支援下肺がん手術や、CTを用いたナビゲーションシステム等の医療機器についても教えていただき、講義後半には、日ごろなかなか聞くことができない肺移植に関する貴重なお話も聞かせていただきました。

2限目は大阪大学大学院医学系研究科外科学講座小児成育外科学より田附裕子先生をお招きして、「小児外科の臨床現場と医療機器」と題してご講義いただきました。
講義中にご提示いただいたECMOを装着した患児の写真や、手術写真内の術者の指と小児の臓器の大きさなどから、小児外科における患者がいかに「小さい」のかを知ることができました。そして患者が小さいことに加え、「成長する」ことも小児外科の特殊性であるとのことでした。講義後半では、小児外科医が介入する主な疾患とその治療方法についてご説明いただき、小児外科領域では、使用できる医療用物品が限られており、多くの場面で患者の特性に合わせて、現場の医師による創意工夫がなされている現状を教えていただきました。

3限目は大阪大学大学院医学系研究科放射線医学より田中会秀先生をお招きして、「IVR領域の臨床と医療機器」と題してご講義いただきました。
IVR(Interventional Radiology)は日本語では画像下治療と呼ばれるもので、X線透視・CT・超音波・MRIの画像を用い治療を行うそうです。その多くは局所麻酔下で経皮的アプローチにより低侵襲に実施できるという特徴があるそうです。ご講義ではIVRで用いるカテーテルや穿刺針、塞栓物質について数多くご紹介いただきました。また、子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術や、舌動静脈奇形のエタノール塞栓術などの事例について、Ⅹ線透視画像を見ながらIVRの実際についてご説明いただきました。さらに講義の最後には医師の立場からIVRデバイスの課題についても教えていただきました。

4限目は大阪大学大学院医学系研究科放射線統合医学より秋野祐一先生をお招きして、「放射線治療で求められる医療機器」と題してご講義いただきました。
放射線治療は臓器の機能や形態温存が可能で、外来通院で受けられることや痛み等の侵襲がないといったメリットがあるそうです。ご講義では、放射線治療の流れから治療に使われる機器、さらに回転強度変調照射線治療(VMAT)といった最新技術についても教えていただきました。また、小線源治療と呼ばれる腔内・組織内から照射する方法について、子宮頸がんや前立腺がんの事例を用いてご紹介いただきました。臓器の輪郭抽出や治療計画立案の際にAIを活用する動きなど放射線治療における医療機器に関する現状についても教えていただきました。

 

 

お昼休みには、MDDコースの4名の卒業生の方にもご参加いただき、ランチョンネットワーキングを開催しました。

 

来週は産科学婦人科、循環器内科、麻酔集中治療、心臓血管外科について学びます。
10月まで半年間どうぞよろしくお願い致します。

2021.5.29

メディカルデバイスデザインコース2021運営事務局