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【MDD Diary 2022】#7 (2022/07/16)

2022-07-19

本日はModule2 〜医療機器開発のマネジメント〜3日目~でした。

1限目 ユーザビリティエンジニアリングとIEC 62366-1
吉田 賢 先生
株式会社UL Japan/Emergo by UL

医療機器開発に不可欠なユーザビリティエンジニアリング(UE)と、UEの国際規格であるIEC 62366-1についてご説明いただきました。UE及びヒューマンファクタエンジニアリング(HFE)は、ユーザが医療機器を使用する際、製造業者の意図していない操作によって生じる使用エラーを防ぎ、安全性及び有効性を高めることを目的とします。UE/HFEは、ユーザの詳細や使用環境のリサーチ、ユーザニーズの明確化、使用に関するリスク分析、ユーザビリティ評価というプロセスを経て行われます。特にJIS T/IEC 62366-1、米国FDA HFEガイダンスへ適合するには、使用に関するリスク分析の作業が重要であることを教えていただきました。

2限目 医療機器と臨床評価
方 眞美 先生
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)

医療機器の臨床評価について実例を挙げて、詳細にご講義いただきました。医療機器は多様であり、それぞれの特性を踏まえた有効性及び安全性評価・審査が行われています。審査において大切なのは、製品に対してどのような評価が必要かを見定めることです。また、臨床試験の設計では、試験の目的を深く理解し、データを正しく収集することが重要です。市販前、市販後を通じた臨床評価及び安全策を行うことで、より良い医療機器をより早く患者さんへ届けることにつながります。新たな承認制度の枠組みとして、海外でも注目が集まるリアルワールドデータを活用した評価や、開発早期の段階から規制当局に相談することで、優先して取り扱って貰える制度などがあることを教えていただきました。

3,4限目 MDD Group Working – I
〜リスクマネジメント実習(市販前編)〜
岩元 真 先生 厚生労働省

3,4限目 MDD Group Working – I
〜リスクマネジメント実習(市販前編)〜
清川 千秋 先生 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)

3-4限は2つのシナリオを題材とし、12のチームに分かれてリスクマネジメント(市販前編)のグループワーキングを行いました。グループワーキングに先立ち、審査側から見た適切なリスクマネジメントを行うために、治療対象、開発コンセプト、使用目的の明確化、そして、製品の評価をどのように行うのかについて、必要となる考え方を教えていただきました。今回のグループワーキングでは開発コンセプト、リスク抽出、評価内容等といった市販前のリスクマネジメントについて検討しました。ディスカッションでは活発な意見交換が行われ、プレゼンテーションでは短時間ながらも各グループで出された重要なポイントを全員で共有することができました。

次回は7月30日(土)です。「MDD Group Working – Ⅱ 〜申請・照会対応実習〜」、「MDD Group Working – Ⅲ 〜リスクマネジメント実習(市販後編) 〜」1日を通したグループワークで学びます。

メディカルデバイスデザインコース2022運営チーム