【MDD Diary 2022】#8 (2022/07/30)
2022-08-1
本日はModule2 〜医療機器開発のマネジメント〜最終日~でした。
本日のグループワーキングでは前回の市販前リスクマネジメントに続き、PMDAへの申請と照会対応、市販後のリスクマネジメントについて学びました。今年のシナリオはハードウェア系として新規の心臓カテーテル治療デバイス、ソフトウェア系として昨今存在感を高めているSaMDのカテゴリーから治療アプリが取り上げられました。
1,2限目 MDD Group Working – Ⅱ
〜申請・照会対応実習〜
清川 千秋 先生 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
MDD Group Working – Ⅱ 〜申請・照会対応実習〜
新規医療機器のシナリオに対して、前回の講義で学んだ「申請書作成のポイント」を参考に、グループワーキングにて申請書の作成を行いました。続いて清川先生から「照会事項対応のポイント」についてミニレクチャーを受けた後、それぞれの申請内容に対する照会事項が提示されました。今回も大変難しい内容でしたが、どのグループのプレゼンテーションも非常に充実した内容となりました。清川先生の講評では、評価項目設定の考え方や根拠の重要性など、審査側からの視点で重要なポイントをご教授いただきました。谷岡先生からは企業視点での注意点を伺うことができ、機器開発における申請書・照会事項対応への理解を深めることができました。
3,4限目 MDD Group Working – Ⅲ
〜リスクマネジメント実習(市販後編) 〜
石井 健介 先生 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)
3,4限目 MDD Group Working – Ⅲ
〜リスクマネジメント実習(市販後編) 〜
吉田 昌功 先生 吉田・西枝法律事務所
MDD Group Working – Ⅲ 〜リスクマネジメント実習(市販後編) 〜
午後からは同じ開発シナリオを元に、市販後に起こり得る事例に焦点を当てた安全管理のグループワークを行いました。販売を続けるのか、一旦止めるのか、それとも回収するのか、実際に何かが起こってからではなかなか大変なため、ある程度起こり得る自体を予測しておかなければならないことがあらためてわかりました。PL法、ならびに過去の判例については、弁護士の吉田先生からご講義いただき、医療機器メーカーが責任を負う範囲や対応について学びました。石井先生からは日本の社会的状況や、市販後の事象において対応が遅くなった場合に何が起こるか、そもそもなぜ市販後安全管理が必要なのかの根本的なところをご講義いただきました。
いずれの開発シナリオも専門的かつ難易度の高い題材ではありましたが、各グループにおけるディスカッションでは多くの意見が出され、短時間ながら非常に高いレベルのプレゼンテーションが行われました。今年も審査官、弁護士、企業人、医師のバックグラウンドを持つファシリテーターの先生方による「リアル過ぎる」グループワーキングとなりました。2日間にわたる合計9時間におよぶグループワーキングでしたが、産官学の視点があることで、一方的な見方ではなく現実的な面を織り交ぜた形で、リスクマネジメントを理解することができました。
次回からはModule3が始まります。臨床現場で活躍する医療機器について、その機能や開発過程などについて順番に学んでいきます。暑い日が続きますが健康に気をつけてお過ごしください。
メディカルデバイスデザインコース2022運営チーム