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【MDD Diary 2023】#7 (2023/7/22)

2023-07-27

本日はModule2 〜医療機器開発のマネジメント〜3日目でした。

1限目 医療機器と臨床評価
望月 修一 先生
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)

医療機器の臨床評価について、詳細にご講義いただきました。医療機器は多様であり、それぞれの特性を踏まえた有効性及び安全性評価・審査が行われています。審査において大切なのは、製品に対してどのような評価が必要かを見定めることです。

また、臨床試験の設計では、試験の目的を深く理解し、正しいデータを集めることが重要です。市販前、市販後を通じた情報収集を行うことで、より良い医療機器をより早く医療現場へ届けることにつながります。

新たな承認制度の枠組みである先駆け審査指定制度や早期承認制度、開発早期の段階から規制当局に相談することで優先して取り扱って貰える制度があることなども教えていただきました。

2限目 リスクマネジメントとISO14971
萩原 敏彦 先生
医療機器安全研究所

ソフトウェアを含む医療機器におけるリスクマネジメントについてご教授いただきました。

まず、リスクマネジメントの重要な用語(危険状態、ハザードなど)の定義を明快に解説していただきました。家庭内でのやけど事故という具体的な事例を用いて、ハザード(危害の潜在的な源)がいかにして人に危害を与えるのかについて学びました。

講義の最後には、リスクの分析・評価・コントロールの方法について具体的に教えていただきました。医療機器は人の命を助けることに大いに役立つ一方で、使い方を間違えれば極めて深刻な危害をもたらす可能性があることを改めて実感し、身の引き締まる思いがしました。「危害を引き起こす可能性のあるものを一つも残さないようにする」という、リスクマネジメントの本質が垣間見える講義でした。

4,5限目 MDD Group Working – I
〜リスクマネジメント実習(市販前編)〜
土井 万理香 先生
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)

4,5限目 MDD Group Working – I
〜リスクマネジメント実習(市販前編)〜
岩元 真 先生
厚生労働省

「審査側から見たリスクマネジメント」というテーマでご講義いただきました。医療機器を審査する独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の視点から、リスクマネジメントの基本事項について解説していただきました。リスクアセスメントにおいて、審査側がどのような事項を重視しているのかを知ることで、より効率的に医療機器を開発することができます。

講義の後半では、受講生がチームに分かれてグループワークに取り組みました。それぞれのチームは「ハードウェア」・「治療アプリ」(SaMD)のうちいずれかのシナリオを担当し、実際にその医療機器を開発するプロセスを想定して、基礎性能の評価やリスク抽出を行いました。グループで議論した内容をもとにチームごとにプレゼンテーションを行いました。座学で基礎知識を学び、さらに実践するという流れを通して、より理解が深まりました。

グループワーキングの様子

次回は「MDD Group Working – Ⅱ 〜申請・照会対応実習〜」、「MDD Group Working – Ⅲ 〜リスクマネジメント実習(市販後編) 〜」ということで、丸一日かけたグループワーキングで学びます。

メディカルデバイスデザインコース2023運営チーム