【MDD Diary 2020】#5 (2020/07/04)「医療機器開発のマネジメント1」

2020-07-6

本日はModule2「医療機器開発のためのマネジメント」の初日でした!

1限目は株式会社吉田製作所より山口幸宏先生をお招きして、「医療機器開発と医療機器製造販売業〜業態・業許可・遵守事項〜」と題してご講義いただきました。

 医薬品医療機器等法(薬機法)上の医療機器の定義から医療機器製造販売業の遵守事項や医療機器を販売する上での必須の表記、広告規制などに関して、事例を用いつつ詳細にお話しいただきました。ご講義を通して、医療機器開発には多くのプロセスがあり、それに伴う許可要件や遵守事項が数多く存在すること、また製造販売業者の遵守事項には医療機器等総括製造販売責任者等の設置が規定されており法令違反の際には罰せられる場合もあることなどを学びました。講義後半では、添付文書について、実例を用いて具体的にご説明いただきました。誤表記ひとつでも回収の対象になり得ると聞いて、人の命に関わる医療機器開発に携わることへの責任の重さを痛感しました。これまで薬を購入した際に入っている添付文書はほとんど読んだことがありませんでしたが、今回のご講義をお聞きして、添付文書には多くの方々の努力が詰まっていると感じました。(Written by ur &ToShi)

 

2限目は一般財団法人 日本品質保証機構(JQA)より谷崎みゆき先生をお招きして、「QMSとISO13485」と題してご講義いただきました。

 QMSというのはQuality Management System (品質マネジメントシステム)の略で「品質に関して組織を指揮し、管理するためのマネジメントシステム」のことを指します。ご講義の中ではQMS省令の構成やQMS調査を行う際の留意点について、日本ならびに米国での対応をわかりやすくご説明いただきました。またISO13485は医療機器産業のQMSを確立するために作成された国際規格で、2003年度版が2016年に刷新され、QMSで使用するソフトウェアのバリデーションや、統計的手法に基づくサンプルサイズに関する内容が充実したとのことです。講義終盤には、最近よく耳にするようになったAIに関する医療機器についても教えていただきました。AIは学習することでどんどん進化していくため、同じ製品であってもバージョンが異なるものが市場に存在する可能性がでてきてしまうことや、その性能変化のため責任の所在が不明確になってしまうことが問題としてあげられているとのことでした。昨今、スーパーコンピューターの富岳が開発され、今後AI研究がさらに進歩するといわれています。AI搭載医療機器の精度が向上し、不確定要素が改善され、適切に評価できるようになることで、多くの人々がAIによる恩恵を享受できる日が来ることを願っています。(Written by ur)

 

3限目は医療機器センター附属医療機器産業研究所より石黒克典先生をお招きして、「医療機器における承認・認証制度」と題してご講義いただきました。

 開発した医療機器を製造販売するために必要とされる承認申請・認証申請について、その流れや検討すべき点についてお話しいただきました。医療機器の評価には決められた方法論というものが無く、基本要件は評価の拠り所の一つになりうるものの、実際には要素技術の専門知識や経験、また想像力をもって個別にリスクアセスメントをしていく必要があるそうです。承認・認証申請には多くの書類を準備する必要があり、いま自分の目の前にこの仕事がきたらひるんでしまいそうですが、承認を得ないと販売できないからやるという姿勢ではなく、承認・認証の過程を通して患者さんを守っていくのだという強い意識のもと能動的に取り組むことが必要なのだと感じました。(Written by ai)

 

4限目はGEへルスケア・ジャパン株式会社より大竹正規先生をお招きして、「プログラム医療機器における必須知識」と題してご講義いただきました。

 単体プログラムとは汎用ハードウェアにインストールされて使われるプログラム自体を指し、薬事法が6年前に医薬品医療機器等法に改正されたことで、ハードウェアと一緒でなくても医療機器として認められるようになりました。ご講義の中では、プログラム医療機器への該当性判断について大変わかりやすく解説いただきました。また医療機器ではない単体プログラムについての自主規制・自己認証についても教えていただきました。講義の最後には、医療機器として販売するかどうかについては自社の状況を踏まえて“戦略的に”検討することが重要であることも教えていただきました。従来の医療機器は実態のある装置として販売されていますが、一般的なハードウェアにインストールできる医療機器プログラムは無体物でありコストや流通のしやすさなどの点で優位性がある一方、競合他社の多さや開発スピードの点では注意が必要とのことでした。ルールを知った上で、自社にとって最適なビジネススタイルを選択することで、企業として利益を維持し安定供給を続けることが、結果として医療者や患者さんの利益につながるのではないかと考えます。一方、非医療従事者の立場としては、新型コロナウイルス感染症の影響で病院受診への心理的、物理的ハードルがあがっており、無体物であるかないか、医療機器であるかないかにかかわらず、多くの優れた製品が早く世に出て、自宅や職場、保育園など病院以外の場所でも手軽に安心した医療が受けられるシステムの構築がすすむような制度設計がなされる社会になってほしいと思いました。(Written by ur)

 

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はやく雨があがりますように…

2020.7.4

MDD Diary 2020

 

Writers:

ai -分析化学、代謝物の解析に従事する背が高めの大学院生,

ur – バイオマーカーを探して毛髪分析に没頭する大学院生,

ToShi -歯学用の医療機器開発をしている大学院生,

 

Editors:

ChiCo & MDD brain KEI2