MDD Diary 2019 #8 (2019/07/27)『医療機器開発のマネージメント4』
2019-07-27
東京から素敵な写真が届きました〜
来年の夏に思いを馳せると、わくわくしますね!
本日はModule 2 〜医療機器開発のマネージメント〜の4日目でMDD Group WorkingⅠ『リスクマネジメント実習(市販前編)』・MDD Group Working Ⅱ『申請・照会対応実習』が行われました。それぞれの実習の前には、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の岩元真先生から『審査からみたリスクマネジメント』『申請書作成のポイント』『照会事項対応のポイント』と題してご講義いただきました。グループワークでは7月20日に保険償還に関するご講義をしていただいた、京セラ株式会社の谷岡寛子先生からもご講評いただきました。
今回は大阪会場6チーム、東京会場4チーム、福岡1チームの計11チームが「シナリオA:人工関節」と「シナリオB:コンタクトレンズ」に分かれて、独自の製品開発のグループワークに取り組みました。午前中のワークにおいて11チームから提案された商品は、どれも非常に革新的でありながら、社会貢献性や実現可能性の高いものであり、さらにすべてのチームのコンセプトが異なるという、講師の先生も驚きの展開でした。
午後のワークでは、申請書作成のワークが終わる→講師の先生から照会事項が届く→それに対する回答書をすぐに作成→提出!→発表!!という怒涛の流れでしたが、受講生の皆様方からは大変クオリティの高いアウトプットを数多く出していただきました。世代、業種等、バックグラウントの異なる集団の生み出すパワーに無限の可能性を感じた瞬間でした(Written by ChiCo)。
Today, we held the 3rd part of Module 2 in the MDD course. Unlike the previous parts, the day did not include full lectures. Instead, the participants engaged in two group activities. In the first activity, the participants practically applied the knowledge that they acquired about risk management. The second activity allowed them to practice preparing application forms and deal with inquiries for medical device development and approval.
In total, we had 11 teams working on two scenarios; the first scenario was about the development of artificial joints and the second scenario was about contact lenses. Dr. Makoto Iwamoto from the Pharmaceuticals and Medical Devices Agency (PMDA) gave multiple mini-lectures to prepare the teams for the activities.
During the teamwork, Dr. Iwamoto and Dr. Hiroko Tanioka from Kyocera Corporation supported the group activities. After each presentation, they provided the participants with feedback to improve their proposals.
The teams did great work and were able to generate innovative ideas both in terms of technical newness and social impact. (Written by Samar)
開発するところから承認に必要なことを考えていくグループワークを通して、どういったリスクが想定され、どう試験を行う必要があるのか、臨床試験の必要はあるのか、患者さんに被験者になってもらい何を確認しないといけないのかといった様々な考え方を学ぶことができました。また、タイムマネジメントや進行などグループワークの難しさも実感し、非常に有意義な時間を過ごすことができました(Written by ai)。
今回のグループワーキングは、実際に医療機器を開発する上で必要な申請書の作成や照会対応をチームに分かれ行いました。話を聞くだけでなく実際にやってみることで、医療機器開発の難しさを実感できる授業でした。私の所属するチームでは、コンタクトレンズに眼圧や画像等の関連データを送信する機能を付与し、新しいコンタクトレンズの開発にチャレンジしました。これまでにない撮影機能や送信機能を加えることにより生じる新たなリスクは、感電や使用する新素材の生体適合性など、挙げだすときりがなく、実際の医療機器開発ではこのリスク1つ1つに対処しているのかと思うと、改めて大変だなと感じました。さらに照会対応では、目的に応じた機能が発揮できているのかをどのように評価するのかを問われます。エンジニアとしては、目的に応じた機能をどのような技術で発揮するのかが気になり、機能が発揮できているのかを評価する方法まで考えるのはとても難しかったです。
普段体験することのない社会人の方とのディスカッションでしたが、社会人の方の専門外の知識の広さにとても驚きました。これからは自身の研究だけでなく、様々な分野へも興味を広げてみようと感じました(Written by なつ)。
私が参加したグループは人工関節のシナリオに取り組み、新しい人工股関節のPMDA承認申請書、添付資料、照会への回答などを実践的に作成しました。私たちグループはセンサー(ジャイロ、圧力)を利用して無理な体勢での運動を行わないようモニタリングし、人工股関節使用者の中で問題となっている脱臼を防ぐタイプの人工股関節を提案しました。
私は大学研究者でこのようなトレーニングは初めて行いましたので、なかなか要領が掴みにくかったのですが、質問シートに回答していくことで何とか書類を完成させることができました。今回の経験は自社製品のPMDA承認を取っていくための大変良い予習になりました。既存品との差異から臨床上必要な性能、評価方法を決めることも大事で、既にある類似品の規格を活用することも大事だと学びました(Written by じゅり)。
本日でModule 2〜医療機器開発のマネージメント〜が終わりました。
来週からは、Module3〜医療機器開発のための機器実習〜が始まります。初日はGroup Working Ⅲ リスクマネジメント(市販後編)と機器実習(漏れ電流・EPR実習、除細動器・AED、パルスオキシメーター・血圧計)になります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
Next week, we will also have a group activity in addition to an equipment training where the participants will get to experience, hands-on, commonly used medical devices. See you then!
2019.7.27
MDD Diary 2019
Writers: なつ-工学と医学の融合分野で日々研究、国語が苦手な理系女子, じゅり-技術×芸術×起業が人生テーマの30代研究者兼起業家(の卵), Samar-a researcher in Osaka, a student in Kyoto, and an alien in Japan, ai -分析化学、代謝物の解析に従事する背が高めの大学院生
編集長:ChiCo
MDD brain: KEI2