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【RME Diary 2023】#3 (2024/3/2)

2024-03-9

本日は「再生医療:細胞製造設計エキスパート育成講座」のファンダメンタルコース~3日目~でした。

1,2限目 「品質・安全性評価」
佐藤 陽治 先生 国立医薬品食品衛生研究所 再生・細胞医療製品部

科学技術の成果を人と社会との調和の上で最も望ましい姿に調整するための科学として「レギュラトリーサイエンス(Regulatory Science)」があります。再生医療等製品は、細胞自体が複雑なシステムであり、製品の多様性が高いため画一的な品質・安全性の評価はできません。また、再生医療等の先端医療製品の評価において、従来の試験法では十分に評価できない場合があります。製品開発を持続し、医療現場に届けるにはRSを以て新しい考え方を基に、目的に適った評価法の探索・分析を行い、合理的に選択することが必要であることを教えていただきました。

3,4限目 「衛生管理」
中村 浩章 先生 アース環境サービス株式会社 彩都総合研究所

再生医療関連分野においては、薬機法、再生医療等安全性確保法のもとのみならず、「つくるところ」、「はこぶところ」、「つかうところ」全てにおいて衛生管理が求められます。衛生を維持するために、施設(ハード面)として空調機器(陽圧化やフィルトレーション)、バリア構造(エアタイトドアやシーリング・コーキング)、ルール(ソフト面)として施設のメンテナンスや人・ものの動線、入室手順、サニテーション計画が重要であることをご教示いただきました。項目として見ると単純に思えそうですが、実際には管理に関わる人やもの、虫や小動物という環境因子が思いがけず衛生管理上の阻害要因になることもあるため、それらを考慮した管理が重要であることも動画を用いた具体例と共に教えていただきました。

次回は「環境モニタリングと微生物迅速試験法」、「細胞調製(施設,運用)」について学びます。

再生医療細胞製造設計エキスパート育成講座ファンダメンタルコース2023運営チーム