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RME diary 2021 day 3 (2021/12/04)

2021-12-4

本日は2021年度「再生医療:細胞製造設計エキスパート育成講座」のファンダメンタルコース3日目でした。

1,2限目は水谷学先生(大阪大学大学院工学研究科)より、「細胞調製(施設,運用)」と題してご講義いただきました。
前半は細胞製品の工程設計についてお話しいただきました。最終滅菌法が適用できないこと、品質規格に原料や手順等が含まれてしまい製品のバリデーションが煩雑になってしまうことなど、医薬品や医療機器とは違う再生医療製品特有の設計の難しさを感じる内容でした。また後半には製造管理の観点からお話を伺いました。「The process is the product.」というお言葉とともに全行程における履歴等の記録が品質保証として用いられることを教えていただき、環境や情報の管理の重要性を知ることができました。(Written by M2)

3,4限目は佐藤陽治先生(国立医薬品食品衛生研究所 再生・細胞医療製品部)より、「品質・安全性評価」と題してご講義いただきました。
再生医療領域は発展途上であり、新技術が用いられることが多いため安全性・有効性等の評価法が確立されておらず、品質や安全性の確保はリスク分析を基礎にしたケースバイケースの対応が必要である現状を知りました。また正常細胞集団中に混入する悪性形質転換細胞の超高感度検出法をはじめとした評価法開発の様子についてもお話しいただき、レギュラトリーサイエンスの重要性と面白さを感じることができました。 従来の工学製品開発とは異なり、再生医療等製品の有効性・安全性は設計できません。従来の考え方にとらわれず、評価法から制度の整備まで産官連携して熱意を持って取り組むことが大事なのだと感じました。 (Written by M2)

2021.12.04
RME 2021 運営チーム & M² “お酒飲むとお腹壊す医療機器オタク”