【MDD Diary 2021】#5 (2021/07/03)
2021-07-7
本日はModule2 〜医療機器開発のマネジメント〜第1日目~でした。
医療機器の定義、クラス分類といった基本的知識や関連法規について教えていただきました。さらに、開発(設計)から市販後(廃棄)に至るまでの各段階において薬機法に基づく規制がなされていることを教えていただき、主に医療機器製造販売業の許可要件や遵守事項について詳しく解説していただきました。また2021年8月1日に施行される、改正薬機法における法令遵守体制に関する考え方について、製造販売業者、販売・貸与業者、修理業者のそれぞれの業態に分けて、該当する法文をお示しいただきながら教えていただきました。あらためて、なぜ医療機器において業許可というシステムがあるのか、そして役割分担があるのかということを考えさせられました。
開発した医療機器の製造販売に必要な手続きである承認と認証について、申請書の作成から手続き方法に至るまでを解説していただきました。また、2020年にプログラム医療機器として承認された禁煙治療補助システムや、家庭用心電計プログラムといった最近のトピックについてもご紹介いただきました。さらに海外事例として、2018年にFDAで承認されたAIを用いて糖尿病網膜症の診断までを行える機器についてもご紹介いただき、医療機器のAIについての日米の現状について教えていただきました。プログラム医療機器はまさに今ホットな領域ですが、来週の講義でさらに知識を深めたいと思います。
ニーズ探索からコンセプトデザイン、開発品の評価まで、医療機器開発の一連の流れについて解説していただきました。世界初のCTO(慢性完全閉塞性病変)用ガイドワイヤー開発事例を用いて、「あいまいさ」が多分に含まれる現場の声を正しく解釈するために、“先端荷重”という独自の共通用語を生み出し、現場とコミュニケーションをはかったという大変興味深いお話を聞かせていただきました。欧米先行であった心臓カテーテル治療の領域で、特許などの障害を乗り越え、従来のガイドワイヤーの構造にとらわれない新たな構造体を内装した製品を開発した事例をお示しいただきました。現場ニーズに対する解は一つではなく、設計思想の違いにより最終的なアウトプットである製品にも違いを生み出せるということを教えていただきました。
はじめに、医療機器の品質マネジメントに関する国際規格であるISO13485について、2016年の主な変更点である、プロセス管理におけるリスクベースのアプローチ、QMSで使用するソフトウェアのバリデーション、統計的手法に基づくサンプルサイズといった項目について重点的にご説明いただきました。ISO13485の変更を反映する形で2021年3月に改正されたQMS省令についても解説いただきました。添付文書の電子化プラットフォームでの公開が義務づけらるというお話もありましたが、医療機器をユーザーに届ける側が、誰に、何のために、どのような情報を届けるかという点が重要であるとあらためて感じました。これもひとつのユーザビリティなのかもしれません。
7月10日はリスクマネジメント、ユーザビリティエンジニアリング、生物学的安全性試験、プログラム医療機器について学びます。
2021.7.3
メディカルデバイスデザインコース2021運営チーム