MDD2022卒業生 杉原 七海 さん(大学院医学系研究科)
2024-03-27
MDD2022 受講
杉原 七海 さん
(杉原さんのコメント)
私は、大阪大学人間科学部で学士を取得後、医学系研究科医科学専攻に入学しました。学部時代は食と認知機能の関連を研究テーマとしておりましたが、その中で認知症への関心が高まり、臨床遺伝子治療学寄附講座の武田先生の研究に惹かれ、進学にいたりました。
MDDコースを知ったきっかけは、大学院入学してすぐに行われた履修説明会でした。「患者さんを救えるのはお医者さんだけではありません。医療機器開発のプロになって、世界の患者さんを助けませんか?」という文言に心を打たれたのを覚えています。修士課程の2年間では、医療機器のモダリティ開発に携わる予定でしたので、博士課程に進学した暁には自身で医療機器を開発したいという想いがあり、広く学ぶことができる本プログラムを受講しようと思いました。
本プログラムは、ニーズを理解するための臨床医学、リスクマネジメント、医療機器実習、そして事業計画や保険戦略を考える実践の4つの講義から構成されておりました。なかでも印象的だったのは、最後の実践の部分で、大学や大学院で学ぶ機会が少ないと思われる事業計画や保険戦略に関して、学生や社会人の方々とディスカッションをしたのは貴重な経験だったと思います。受講後の研究活動の中で、この学びがあったからこそ理解が容易かった場面が多々ありました。
私自身、進路を変更して修士課程修了後は就職することに致しましたが、引き続き医療やヘルスケアの領域には携わる予定です。進路を変更するに至ったのも、本プログラムを通してユーザビリティやリスクマネジメント、事業戦略の重要性に気づき、その方向から、つまりは企業から医療に携わりたいと考えたからです。
医学系研究科で研究活動を進める中で、臨床に携わることのできる医師との違いを痛感する場面が多々あります。しかし、臨床に時間を割かない代わりに、その時間内でこのようなプログラムを積極的に受講し、広い知見を身につけることができるという利点もあると思います。医師や看護師といった臨床とは違う視点から医療や患者さんに関して考えられることは自身にとっても医療界にとっても重要であると思います。そのため、私と同じように自身のキャリアや立場について迷っている学生さんには是非受講していただきたいです。大学院の必修授業や研究活動だけでは触れることのない分野について学び、今後の研究やキャリアの幅を広げられると思います。