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MDD Diary 2018 #12 (2018/09/08)

2018-09-8

大きな台風に北海道の地震と、心が休まることがない1週間でした。
そのような中、本講義にご参加いただきましてどうもありがとうございました。
 
本日はModule3『医療機器開発のための機器実習』の第4日目が大阪会場にて開催されました。

 
内視鏡機器と鏡視下手術機器、(オリンパスメディカルサイエンス販売株式会社)、血液透析機器(ニプロ株式会社)、自動制御機能付き歩行器(RTワークス株式会社)、3次元画像解析システム(富士フィルムメディカル株式会社)、義肢装具(川村義肢株式会社)についてメーカーの方からのレクチャーを受けた後、実習を行いました。
 

実際に手にした内視鏡のスコープは重量感があり、片手で把持しながらダイアルを回すのが難しかったです。でもダイアル自体の操作はとても簡単で、右に左に素早く動く先端部に驚きました。内視鏡は、日本から世界へ羽ばたく医療機器の代表例ですが、これについてはモジュール4でも高山先生から開発の経緯などをご紹介いただく予定です。
 
 

3Dメガネを装着して体内の奥行きを体感しました。3Dときくと映画のような迫力を求めてしまいそうですが、本装置では医師の疲労を抑えるために飛び出る3Dではなく奥行き感を出しているときいてとても勉強になりました。ラパロトレーナーで鉗子をもちいた縫合操作を体験しましたが、慣れないとかなり難しいですね。
 
 

透析中の患者さんの快適性を考慮して、操作音のかわりにタッチパネルでの振動を用いた構造にするというきめ細やかな製品作りに驚きました。また、このコースの途中も地震や台風が日本を襲いましたが、災害で停電になった際のことも考えられた設計であることがよく理解できました。
 
 

家電業界で培った技術をもとにヘルスケアの分野で新規事業をはじめてこられたこれまでの経緯を、国の制度なども交えて教えていただき、大変勉強になりました。散歩途中で疲れたら座ることができるというのもすてきだなと思いました。高齢化先進国でもある日本から、こういった機器が世界に拡がると素敵だと思います。
 
 

CT画像だけで見事な3D画像ができあがっていくのに大変驚きました。あらゆる角度からみることができたり、いろいろな条件を設定して余分な情報を削ぎ落とすことができたり、診断・治療にとても有用なシステムだと思いました。肺の腫瘍の位置がボタンひとつでわかるなど、かつては未来の医療と思っていたことが着実に実現されつつあることがわかり、これまで私たちが常識と思っていたことが変わりつつあるのを感じます。
 
 

義肢や義手をつけて実際に動かせるようになるにはリハビリが必要なことや、一度作って終わりではなくサイズがかわって作り直しが必要なことなどを知りました。義肢をつけて歩くのも、筋電義手でモノを掴むのもとても難しそうでしたが、こういったものが本当に必要な方にとっては体の一部になっているということがわかりました。
 
 

講義後は、東京会場、福岡会場の皆様、そしてMDD2016、MDD2017、MDD2018の受講生、講師の先生にもご出席いただき「MDD2018 イブニングネットワーキング」が開催されました。
 
 

先日行ったリスクマネージメント実習と、知財実習の表彰が行われ、知財実習で講師を務められた弁理士の長谷川先生から、大賞、優秀賞、入賞の賞状が送られました。リスクマネージメント実習の「弁護士要らずでコストカットで賞」は同じく講師を務められた弁護士の吉田先生から、「審査員になれるで賞」は突如現れた岩元先生(?)から、そして大賞は谷岡先生から、各受賞グループに賞状が授与されました。
 
 
お忙しい中、ご参加いただきました皆様、どうもありがとうございました。

本日で、Module 3 『医療機器開発のための機器実習』が終了になります。
大阪までお越しいただきました東京会場、福岡会場の受講生の皆様、本当にお疲れ様でした。一緒に学ぶことができとても楽しかったです。
来週からは各会場に戻り、医療機器開発での実体験、課題、それをいかに克服するかについて、実際に医療機器開発をManageされてきた講師の先生から教えていただきます。

残すModuleもあと一つになりました。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
2018.9.8
MDDコース2期生 チコ(ChiCo)