【MDD Diary 2020】#11 (2020/08/22)「医療機器開発のための機器実習3」

2020-08-22

本日はModule 3「医療機器開発のための機器実習」第3日目でした!

 
 午前は、日本メドトロニック株式会社のご協力によるペースメーカー・ICD・CRTD・プログラマー、リードレスペースメーカーの実習とPHC株式会社のご協力による血糖値センサーの実習が行われました。午後からはコヴィディエンジャパン株式会社のご協力による人工呼吸器の実習、大阪大学医学部附属病院医療技術部臨床工学部の楠本繁崇先生による漏れ電流・EPR実習、日本光電工業株式会社のご協力による除細動器・AED・パルスオキシメーター・血圧計の実習が行われました。
 

 1限目は「ペースメーカ・ICD・CRTD・プログラマー」についての実習でした。ご講義では、植込み型ペースメーカの進歩について、その変遷をたどりながら教えていただきました。また近年のデバイス治療として、条件付きMRI対応心臓植込み型デバイス、植込み型心臓モニタなどについてもご紹介いただきました。実習では、体内に植え込まれているペースメーカのチェックを体外から行うことができるプログラマーという機器を用いて、出力電位の閾値を変化させた際の心電図波形の変化などを見せていただきました。また、ペースメーカのリードと本体の接続や縫合といった植込み手技についても人工皮膚モデルを用いて再現していただきました。
 
 

 2限目は「リードレスペースメーカ」についての実習でした。ご講義では、ペースメーカの植込み部位やリード関連の感染症をなくし、患者さんのQOL向上の可能性を追求するというリードレスペースメーカ開発の目的や、植込み時に用いるデバイスの詳細などについて教えていただきました。実習では、本体が格納されたデリバリーシステムをイントロデューサーを通して心臓内にアプローチし、展開ボタンを使ってカップから本体を露出させ、先端についているハネを心臓の壁に引っ掛ける、という一連の流れを、透視画面を模したバーチャルシミュレーターと3D心臓カテーテルシミュレーターを用いて実演していただきました。
 
 

 3限目は「血糖値センサ」についての実習でした。ご講義では、糖尿病患者数の推移や血糖自己測定の必要性についてご説明いただいた後、血糖センサの要素技術と第1世代から第3世代までの継続的な改良のプロセスについて詳細にご紹介いただきました。実習では、模擬患者さんに対して手技を伝えながら実際に測定していただきました。測定に要する血液量がわずか0.6μlと少量であったり、血糖センサを挿入すると電源が自動で入りボタン操作が不要であったりと、多くの面でユーザへの配慮がなされていました。
 
 

 4限目は「人工呼吸器」についての実習でした。ご講義では、呼吸の仕組みや人工呼吸器の開発の歴史、換気モードの違い、そして市場規模まで幅広くご説明いただきました。実習では、人工呼吸器の回路の組み立てと起動、設定値や実測値などのディスプレイ表示等についてご紹介いただきました。また、患者さんと人工呼吸器の同調が乱れた場合や患者さんが無呼吸になった場合などを再現して、その際の人工呼吸器のグラフィックの変化やアラーム表示などについても教えていただきました。 
 
 

 5限目は大阪大学医学部附属病院医療技術部臨床工学部から楠本繁崇先生をお招きして、「漏れ電流・EPR実習」についてご講義ならびに実演をしていただきました。ご講義では、電撃による人体への影響、病院設備や医用電気機器の漏れ電流対策について教えていただきました。漏れ電流、接触電流、患者漏れ電流、測定電流、それぞれの測定方法について、動画や配線図等をご提示いただきながらご説明いただきました。また実習では、実際に医療者や患者さんが心電図モニターに触れると想定した接触電流の測定方法について、手のひらサイズの電極を用いた方法を見せていただきました。
 
 
 

6限目は「除細動器・AED」についての実習でした。ご講義では、除細動器の種類、AEDの解析方法や精度について教えていただきました。救命率向上を目指し、VT/VF解析の方法を研究することで解析精度を維持しながら時間を短縮したり、電極パッドを改良してノイズ低減をはかったりされているとのことでした。実習では、AEDのパッド装着から電気ショックの実施、また、不整脈波形を再現して、除細動器の同期モードでの電気ショックの実施も見せていただきました。
 
 
 

7限目は「パルスオキシメーター・血圧計」についての実習でした。パルスオキシメータの原理は、今年逝去された青柳卓雄先生が生み出されたものです。パルスオキシメーターのご講義では、パルスオキシメーターの着想や開発に至った経緯、その後の普及状況について、また、脈波の活用や発展途上国への普及など今後の展望についてもご紹介いただきました。血圧計のご講義では、従来の減圧式より早く優しく測定できる直線加圧測定方式の血圧計についてご紹介いただきました。実習では、模擬患者さんの左右の腕にマンシェットを巻いて同時に血圧測定し、直線加圧測定方式のほうが早く測れている様子や、その間のSpO2モニターの途切れ時間の違い、そして、息こらえにより酸素飽和度が少し遅れて低下する様子などを見せていただきました。
 
    
次回は9月5日になります。内視鏡機器、鏡視下手術機器、血液透析機器、経皮的心肺補助システム(PCPS/ECMO)、自動吻合器・縫合器・エナジーデバイス、超音波診断装置、義肢装具についての実習です。
引き続きどうぞよろしくお願いいたします。
 
 
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2020.8.22
 
MDD Diary 2020
Written by team MDD

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