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RME diary 2019 day 5 (2019/12/21)

2019-12-21

12月21日に細胞製造設計エキスパート育成講座ファンダメンタルコースの5日目(最終日)が開催されました。
 

本日の1・2限目は、「CPC(細胞培養加工施設)運用経験における課題への取り組み例、課題解決の戦略、将来展望」と題して、大阪大学医学部付属病院 未来医療センターの笠井泰成先生にご講義いただきました。
前半は、CPCの設計・準備について講義を行っていただきました。具体的には、①動線設計(生産効率・汚染防止の観点からの作業者・製品の動線設計)、②人材の教育訓練システム、③設備・工程・品質管理のバリデーション項目と方法、④CPCに適用される文書の体系、についてご説明頂きました。
後半は、CPCの製造管理・品質管理について講義を行っていただきました。CPCに特徴的な点としては、再生医療に関する細胞培養加工の工程管理システムは、製薬企業等のものと異なる部分が多く(細胞の状態管理、画像の管理、タイムスケジュールの管理など)構築が難しいこと、細胞・組織の安全性・品質評価方法は現状あまりなく、評価方法の開発と標準化が必要であることを教えて頂きました。CPC構築における必要事項を体系的に学ぶだけでなく、何が難しいのか?という点も実際的に理解することができ、大変有意義な講義となりました。(Written by KO

 

3,4限目は東京医科歯科大学 再生医療研究センター/東京医科歯科大学付属病院 輸血部・細胞治療センター より水野満先生をお招きして、「アカデミアにおける細胞調製施設運営の実例と課題」というテーマでご講演頂きました。
3限目では、細胞培養加工施設の運用の現状についてお話し頂きました。細胞製造施設における環境モニタリングについて、実際に直面した問題、またそれらにどう対処したかという点についてご自身の経験を踏まえてご紹介頂きました。蓄積したデータを次につなげる、毎度リスクアセスメントを実施する、手順書の改定を都度行うことの大切さを学ぶことができました。
4限目では、細胞培養加工施設の運用の問題点 迅速微生物検査システムの開発についてお話し頂きました。ユーザー及び施設管理者の観点から施設運用での課題、留意点などを挙げて頂き非常に参考になりました。
細胞調製施設の運営 (環境モニタリング方法、微生物検査法など) として、まだまだ確立されていない部分が多いような印象を受けました。各点について学会等で議論を行い、各施設で規則の統一がなされる必要があるのではないかと感じました。(Written by ai

 

2019.12.21
RME Diary 2019
Writers : なつ-工学と医学の融合分野で日々研究、国語が苦手な理系女子, ai -分析化学、代謝物の解析に従事する背が高めの大学院生, KO -現在は医学を、以前は工学を専攻していました
編集:KEI2
 
本日で細胞製造設計エキスパート育成講座ファンダメンタルコースは終了です。今年もご協力いただきました講師の先生方にあらためて感謝申し上げます。受講生の皆様におかれましても5日間お疲れ様でした。